桂ゆき-ある寓話 東京都現代美術館 2013年4月6日(土)―6月9日(日)

東京都現代美術館で桂ゆき展、開催中です。
会期中、レクチャーもあります。戦前から戦後まで、ユニークな作風で活躍した桂ゆきさん、
私の大好きな女性画家です。ぜひご来館ください。

桂ゆき-ある寓話  展覧会概要
2013年4月6日(土)―6月9日(日)
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/143/

《人と魚》1954年 油彩/カンヴァス
愛知県美術館

開催趣旨

1935年にコラージュによる個展を開いた桂ゆき(1913年−1991年)は、およそ60年にわたり創作活動を展開した、戦前と戦後を繋ぐ女性芸術家のパイオニア的存在です。本展は、活動の拠点であった東京での初めての包括的な個展として、生誕百年を記念して開催されるものです。

触覚に根ざしたコルクや布などのコラージュ、油絵具による細密描写、そして戯画的な表現を桂が並行して展開したことは、独自の絵画のあり方を示すものとして戦前より瀧口修造や藤田嗣治等から注目されてきました。また戦後は、社会や人への透徹した眼差しと寓意表現を通して、ユーモアに溢れた、多層的な読み取りを可能とする作品を制作しています。旅と文学により培われた、あらゆるものを相対化する思考に支えられたその仕事には、前衛と日常、批評と笑い、日本の民俗的なものと西洋近代の普遍的なものを複眼的に捉える姿勢が貫かれているのです。それは、寓話の脇役から主人公を眺めること、制作した絵を90度回転させること、対象に被膜を纏わせることなど、ちょっとした視点の操作によって、今まで当たり前に捉えてきたことに再考を促すものでした。

本展は、独自の寓意表現を通して、人とモノ、生き物を、その境界を越えて自由に行き来させた桂の作品世界を、絵画の代表作、そして初出品の作品や本の仕事などによって紹介し、欧米の前衛とは別の文脈で育まれた創作の意味を多角的に検証するものです。あらゆるものから自由な態度を貫いた桂の仕事。本展はその複雑で奥深いユーモアに触れる絶好の機会となるでしょう。

■ レクチャー

—終了しました—
日 時:4月20日(土)  14時
会 場:東京都現代美術館 企画展示室 1階B室(桂ゆき展受付左手よりご来場下さい)
講師:鳥羽耕史氏(早稲田大学教授 日本近代文学)
※レクチャーのみご参加ご希望の方はチケット不要です。(展覧会をご覧になられる方は本展チケットが必要になります)

日 時:4月27日(土) 14時
講師:中村宏氏(画家)

日時:5月3日(金) 14時
講師:湯本豪一氏(漫画史 妖怪研究家)

日時:5月11日(土) 14時
講師:小勝禮子氏(栃木県立美術館 学芸課長)

日時:5月18日(土) 14時
講師:小谷野匡子氏(絵画保存研究所 絵画修復家)

日時:5月25日(土) 14時
講師:北澤憲昭氏(美術評論家)

日時:6月1日(土) 14時
講師:Namiko Kunimoto氏(American University助教授 美術史)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: 2013年04月22日 | 投稿者: 小勝禮子