≪移動するということ≫ 阪田清子

研究概要

本プロジェクトは、美術(史)研究では周縁化されてきた女性アーティストに焦点を絞り、ジェンダーと「移動」の視点から、戦時中の女性画家の移動や、移民として国外に出た女性美術家について調査研究を行うものである。

具体的には、①女性アーティストの表現・活動の歴史と実践の調査、②周縁化されてきた彼女たちの活動の再評価による近現代の美術史・ジェンダー研究の再考、③研究者・学芸員らとの研究交流を活性化しネットワークを形成することによる美術や表現現場の発展を目的としている。特に従軍女性画家や、植民地体験、海外への移民体験を持つ女性画家の調査は、同様のテーマで多くの蓄積を持つ文学研究や、「移動」や「旅」をめぐるポストコロニアル研究の理論枠組を導入することによって、歴史的な時空間軸を用いた多層的な考察・分析が可能となる。

メンバー一覧

氏名 英語表記 所属 専門分野 研究テーマ
香川 檀 KAGAWA Mayumi 武蔵大学 表象文化論、美術史、ジェンダー論 戦前・戦後のヨーロッパ前衛美術と女性、戦後美術によるホロコーストの記憶表象
北原 恵
(代表者)
KITAHARA Megumi 大阪大学 表象文化論、美術史、ジェンダー論 女性アーティストと戦争、植民地主義と美術
金 惠信 KIM Hyeshin 青山学院大学 美術史、表象文化論 アジアの近現代美術、コリアン・ディアスポラ アーティスト、現代韓国の大衆文化(KPOP、ドラマ、映画)
小勝 禮子 KOKATSU Reiko 栃木県立美術館 近現代美術、ジェンダー論 戦前から戦中期の日本の女性画家の活動、現代アジア諸国の女性アーティストの活動
児島 薫 KOJIMA Kaoru 実践女子大学 日本近代美術史 美人画、官展、ジェンダー論、ナショナリズムなど
坂上 香 SAKAGAMI Kaori 特定非営利活動法人out of frame/一橋大学客員准教授 ドキュメンタリー映像制作、メディア・スタディーズ 犯罪報道における当事者の表象、メディアと刑罰、エンパワーメントとしての表現
レベッカ ジェニスン Rebecca JENNISON 京都精華大学 芸術/ジェンダー論 現代アートとディアスポラ、
パフォーマンス・アートとフェミニズム理論
平田 由美 HIRATA Yumi 大阪大学 日本文学、文化研究 戦後文化運動の中の曹良奎
水野 僚子 MIZUNO Ryoko 日本女子大学 日本美術史、表象文化論、ジェンダー論 物語絵画・絵巻物の研究、絵画に描かれた女性の身体表象とその機能に関する研究